なんでも屋 神…第二幕
奇襲にも近かった襲撃も、時間が長引けばその意味を無くす。



現に、対応出来てきている自分の身体を確かめられる。



龍の息吹にも似た炎が、秀太の口周りから発せられ、轟くような音がガレージの中に響き渡った。



悲鳴を発しながら、顔面を押さえて倒れ込む先程迄の俺の相手。



二刀流の男もそれが何だか認識出来ず、俺から一歩下がって秀太の手元に着目する。



俺にはそれが何なのか、手に取るように分かった…。



賺さず秀太の方へ移した視線から、死角となった左半身に渾身の蹴撃を見舞う。



だらりと伸びきった左肘への蹴り…思わず顔を顰め、切っ先から床に落ちたナイフに、確かな手応えを感じずにはいられない。



元来ペインターで在る秀太…気発性の高いスプレー缶の前に、ライターの火でも翳せば、その効力は万人が知る所。
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