Better half
切ないナンバーが終わり、一瞬、静まり返った…
かと思うと
その刹那
黄色い歓声が、体育館を揺らした。
夢から覚めた様に、私は耳を塞ぐ。
そして、慌てて外に出ようと、扉に手を掛けようとした時…
もう一つの手が伸びて、肩と肩がぶつかってしまう。
『あっ、すみません』
聞こえ無いかもしれないけど、私はそう言って、頭を少し下げてから、その人を見た。
胸元にドレープが掛かったゴールドのカットソーに黒のジャケット、巻き髪が揺れて、大人な感じだ。
この場の雰囲気に似合わない、その女の人は、
口元に手をあてながら、こっちは見ないで、軽く頭を下げ、外へと出て行った。