告白


「清水くん、さようなら。」
「清水先輩、さようなら。」



部室の方から声がする。


どうやら清水くんが帰るみたいだ。



「奈津美行かないの?」


お見送りをしている親衛隊。


無理。


あの中に行く勇気はない。

「帰ろう、きらり。」


「いいの?
告白するんじゃないの?」



えっ、なにそれ。



「きらり、清水くん好きじゃないよね。」


「と言うより、嫌い。」


「告白されるの嫌だよね。」


「うん、迷惑。」


「なんで、私が告白するのとめないの?」


おかしいよね、それって。


「あのね、奈津美。
私がばか王子嫌いなのは、奈津美が好きな人だからよ。
たしかに、顔いいし、テニスうまいし人気あるのはわかるけど、あんな、親衛隊なんてものをまわりにはべらせてる男なんてろくなもんじゃない。
そんな男の行動一つに嬉しがったり悲しんだりしてる奈津美が嫌なの。
振り回してる清水が嫌い。」


でもそれって。


「私が勝手に好きになって、清水くんの知らない所で、勝手に嬉しがったり悲しんだりしてるだけだから、清水くんには関係ないんじゃ。」



「そうね。」


あっさり、『そうね。』って、きらり。


ごめんなさい、清水くん。

どうやら、私のせいで嫌われたようです。
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