告白
「グレープジュースでいいかとか聞かないで買ってきたから、たぶん清水くんは私がグレープジュース好きなの知ってたよね?」


「じゃあ、なんで好きなの知ってたと思う?」


なんでって。


完全に私に質問してるし。


さっきは聞いてって言ってたのに。


グレープジュースはうれしいけどさ。


グレープジュース…………うん?


あっ、グレープジュース清水くん買ってきてくれて、私お金払ってない。


「清水くん、ごめん。
ジュース代いくらだった?」


「いいよ。」


「いや、よくないよ。」


「いいって言ってるだろ。」

突然の大声。


「あっごめん、大声だして。
ただ、小瀬さんさっきからさ、はぐらかしてばかりだから。」


「はぐらかすって。」


そんなつもりなんて。


「まっ、わかってた事だけどさ。」


なにが?


まったく私にわからないこと、清水くんには何がわかってるの?


「小瀬さん、俺今すぐどうこうとかは考えてないから。
でも諦めない。
それだけは忘れないで。」


笑顔で言われたけど……誰か通訳して下さい。


もう泣きたい。
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