告白
「はぁー。」


大きなため息をして、頬をなでるのを止めた清水くん。


「なんでそんなに可愛いわけ?
まったく。
人前じゃ恥ずかしいって言うから我慢してるのに。
俺の部屋着いたら我慢しないからな。」


はぁ?


可愛い?


「私、可愛くなんかないよ。」


「それ、本気で言ってるの?」


「うん。」


だって可愛くないもの。


「わかった。
部屋着いたら、どれだけ可愛いか教えてあげる。
覚悟して。」


なんの覚悟?


聞こうとしたら、電車が静かにとまった。


「行こう。」


清水くんに手を引かれておりる。


改札を通り、バス停へ歩く。




「えっ、奈津美。」


バス停で同級生六人に会ってしまった。


「えっ。」


「なんで?」


「清水くん?」


すごく驚いてる。


まぁ、うん、そうだよね。

びっくりするよね。


手、恋人つなぎだし。


当然の反応だよね。


「こんにちは。」


「あっ、こっこんにちは。」

清水くんにあいさつされ、あいさつをかえしたのは一人だけ。


残り五人は顔を赤くして、しゃべれないみたい。


うん、わかるよその気持ち。
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