告白
心が折れたまま、正兄の車で駅に送ってもらう。


車の中で、正兄がムッチリについて力説。


正兄説では、ムッチリが最強らしいです。


あまりのバカらしさに、スルー。


駅前では、すでにきらりが清水くんと待っていた。


はっきり言ってお似合い。

今からあの場所に私が行くかと思うと、気が重いかも。


でも今日はがんばるんだ。

駅前のロータリーで車から降り、小走りで向かう。


「お待たせ。」


「私、今来たとこだよ。
待ってないよ、奈津美。」


「あぁ。」


きらりは話してくれたけど、清水くんはこっちを見ていない?


もしかして、きらりと二人でいたのに邪魔したからかな?


ダメダメ、最初からこんなマイナス思考でどうする。

がんばって、清水くんの前に立って、目を見る。


「早いね、清水くん。」


「あぁ。」


今、完全に目をそらしたよ。


さっきから『あぁ。』しかいってないし。


プラス思考になるためのきっかけがまったくない。
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