赤い愉楽
少し微笑む奥田。


「あなたの言う通り私はバカですよ。
それは分かっています。


じゃあ頼みましたよ。


鬼軍曹さん」



携帯を置いた奥田。


再び窓の外に目をやると
道路に止まる黒塗りの車が見える。



「あのとぼけた刑事もそろそろ気がつくころでしょう」



奥田はそう言って目をつぶった。


怜奈は依然動かないまま。



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