赤い愉楽
「つまりね。

あなたが知っている旦那さん
だけが全てじゃないってことですよ」


人を疑うことしか知らないような
平野の眼光が

怜奈の頭によみがえった。


思わず頭を振る怜奈。


手に持った本を取り落とす。


本はブックカバーが取れ
座席の下に落ちてしまった。


夫の大事な遺品を落としてしまった
怜奈は慌てて本を拾う。


その時怜奈は妙な違和感に襲われた。


落ちてしまったブックカバーの
裏に何か書いてある。


急いで書かれたらしい
崩れた文字を怜奈は凝視する。





「4月1日は奥田…」




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