ポケットに“チョコレート”2つ。
そう言えば…一葉に何もプレゼントした事がなかったな。


愛情を受けるばかりで、何も返していない気がする。


一葉は何を望むのだろうか?


「一葉は何か欲しい物があるのか?」


「欲しい物!?欲しい物は…うんと、先輩の私物がいいなぁ。ボールペンでもストラップでも…何なら先輩のパン…」


「頬を赤らめてまで言うな、変態!!…じゃあ、これやるよ」


一葉はとんでもない物を言いそうだったので、遮って、大事な物を渡す。


「…えぇ!?これは…貰ったら…」


一葉が驚くのも分からなくない。


―――アパートの鍵。


まぁ、スペアの方だけど…。


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