茜ヶ久保マリネの若気の至り
「!」

七支刀と化した頭角を両手で構えていたリヴァイアサンが、その踏み出す足を止める。

追い詰められた私から発せられる鬼気迫る魔力に、出足を止められたのだ。

「本気で僕と殺し合うつもりかい?マリネ…今なら手足を刎ね飛ばして、愛玩人形にする程度で許してあげるよ?」

「何を今更」

周囲が静まり返る。

それは、大地の全てを押し流す巨大な津波が迫ってくる寸前の海岸に立っているかのような、背筋の凍るような静寂だった。

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