貴方が好きなの

「もしかして、待ってた?」


白い息が吐き出されては消える。


「うん。……まぁ、一旦帰ったけど、藍にもしものことがあったら、って考えちゃって」


無事で良かった、って冬夜は続けて、私を抱きしめた。


「えっ…いきなり」


何?、って言葉が言えないくらい、ぎゅっと近づく。


中川の前で、こんな、恥ずかしい。


でも、冬夜の体温で少し温かくなった。



「黒川………俺、帰るわ」



低く、怒ったような声に聞こえた。






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