貴方が好きなの

その日は始業式をして、下校となった。


始業式のあとマナに「ファイト」って背中を突かれた。


「何が?」


って聞くと、「色々と、ねぇ~。……中川くんとか転校生くんのこと」


「あぁ………」


マナとは、夏休みの間に何回か遊びに行ってて、そのときに中川や冬夜の事を話していたのだ。


マナいわく、「絶対、転校生くんは、アイのこと好きだよ」


「ないない」


この会話は、会ったときもした。


「なんでぇ~。だってどうみても転校生くんはアイが好きだよ」


なんでそう思うのかなぁ。


「ずっと視線送ってるよ?別にいいんじゃないの?転校生くんで。中川くんなんかやめて。それにかっこいいじゃん、転校生くん」


「確かにかっこいいけど……。ていうか、視線送ってるってホント?」


マナは湯川だから、確かに見える位置だ。


「ホント、ホント」


「愛美ぃ~」


そう呼んでいるのは、上田だった。


「帰ろ~」


まだ付き合ってるらしく、マナの中で最長記録更新中。
ラブラブだ。


「話の途中だけど、帰らなきゃ。ごめんねぇ~。また聞く」


「うん。バイバイ………。お幸せに~」


最後の言葉を嫌味ったらしく言うと「転校生くんにしちゃいなよ~」って言われた。




マナも帰ってしまったので私も帰ることにした。














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