記憶 ―惑星の黙示録―
「…いやぁ~、ビックリさせちゃってゴメンね~?」
舟は向こう岸へと無事に辿り着いた。
アランは、まず自分が岸へ下りると一人ずつ私たちの手を取りながらそう謝って笑っていた。
もう大丈夫。
それは本当に…?
触れた手の感触を確かめながら、ここに居るアランにホッとする。
『…ホントにビックリしたんだぞッ、馬鹿アラン。あぁ怖かった!』
パタパタと翼を羽ばたかせるコンちゃんは、珍しくアランの肩に着地する。
口ではそんな事を言いながらも、やはりアランを心から心配していたんだと、その行動が示していた。
「ね~、ごめんねぇ。コンもありがとね~?」
アランは肩に乗るコンちゃんの頭を撫でていた。
『…何がッ!心配とかしてねぇしッ!気安く撫でんなッ!?』
そう鳴いて、慌てて地面へと降りるコンちゃん。
ふふふ…、
そう私の口からも笑みが漏れていた。
「…しっかし、奈央があそこまで心配してくれるとはね~?…予想外の収穫?」
「…はっ!?」
アランはニヤニヤと私を見て含み笑い。
「…俺の事、好きになっちゃってたりして~?」
「何言ってんの。馬鹿じゃないの!?嫌いよ!」
有り得ない。