記憶 ―惑星の黙示録―


「……ぇ?」


紫色の光が…、
私の体の横を漂う。

一定方向に勢いをつけて、何度も横に飛んでいた。
あっちへ行け、とまるで方向を指す様に…。

「…ぁ…」

アランの…
言葉をふと思い出す。

『皆を守っていた力が消える』とか、『花畑へ急げ』とか…。


私は消えかけて。
ハルカちゃんたちは苦しんでいて…、コンちゃんの言葉はもう私には届かない。


私の…
今、するべき事…



「…ハルカちゃん!苦しいかもしれないけど、立って!」

私はそう叫んでいた。


「花畑へ行くの!早く立って!…歩いて!」

もう私の体は二人を支える事は出来ない。
励ます事しか出来ない。

自分で立って先へ進んでもらうしか残された術は無いのに、ハルカちゃんは動かない。


「…でも…。だって…」

「――…早くっ!!進むしかないの!もう泣かないで!」

きつい言葉…。
険しい私の表情に怯えた様に目を潤ませながら、苦しそうに身を起こす。

ごめんね。
でも口には出さない。

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