記憶 ―惑星の黙示録―


薄れゆく意識の中で、
多分また夢を見ていた。



『奈央ー、早く~!』

愛里が呼んでいた。


『…もぅ。ちんたら歩いてると日が暮れるよ~!?』

私を振り返り、呆れ顔の絵美も呼んでいた。

ここは…、
いつか三人で旅行した時に訪れた、一般道の脇にひっそりと隠れた遊歩道。

遥か昔、元々は多くの人がこの道を越えるしか道が無かったとされる山間の「古道」だ。


「…はぁ…二人とも待って…。速くない!?もっと…ゆっくりさぁ!」

私は二人に目を向け、日頃の運動不足で言う事をきかない足を必死に前へと進めていた。


ごろごろと岩の転がる砂利道。
爽やかな緑に囲まれた木々のトンネル。

季節は冬とはいえ暖かな木漏れ日に溢れ、肌で感じる気温は春に近い。


私たちは歓喜の声をあげながら軽い気持ちで歩き出したのだ。

木々の合間にはコンクリートの一般道がちらちらと顔を出すが、幸いにも人のない平日。
自動車の気配も無く、鳥の囀ずりや木々のざわめきで聴覚が満たされる。


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