記憶 ―惑星の黙示録―


時は流れ、数年後――


夜空には、
ぽっかりと青白く輝く月。


ヤバイ…
あの子泣いてるかも…

愛里宅の庭で子供たちを遊ばせている間についつい話し込んでしまって、気が付けばすっかり夜が訪れていた。


「…どこ~?帰るよ~?」

そう我が子を探すのだけれど、なかなか見つけにくいのがこの庭の難点だ。

梓さんの職業柄と愛里の趣味も手伝ってか、この家の庭には様々な植物たちが立ち並ぶ。

小さな子供たちにとって…
いや、
特にウチのバカにとっては、「迷子」になる程に入り組んでいるのだ。


「……おかあさん?」

そう涙混じりの男の子の声が聞こえて、振り返ると間もなく…


――ドンッ…

と、後ろから衝撃を受けて私は少しだけ傾きかける。


「…もぉ。体当たりしないでって言ってるのに…」

足元に手を伸ばせば、そこにある小さな頭がこちらを見上げる。

お父さん似の彼が私の足を抱き締めて、予想通りの「うるうる」顔。


「うぅ…、まよっだ…」

…やっぱり?
ふっと呆れ顔の私。


「…何で遥ちゃんと一緒にお家に戻らなかったの~?お手て繋いでなかったの?」

とても同い年とは思えない程、面倒見の良い遥ちゃん。


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