記憶 ―惑星の黙示録―
「コンは、石だけじゃすぐ無くしちゃうから…。あたしの棲んでる里が硝子工芸が盛んでね?首飾りにしてもらったの。」
「へぇ…」
『――ちなみに、その石見つけたの全部、俺ッ!すげぇだろ!俺が二人に配ったんだぞ?エラいだろ?』
パタパタと尻尾を振り、誉めろとアピールするコンちゃん。
何、この子。
かなり可愛いんじゃない?
私がコンちゃんの頭を撫でくり回してる時だった。
――おほんっ。
わざとらしい咳払いが聞こえて、ふと視線を向けると…
アランが部屋の入り口に寄りかかり、私たちに呆れているようだった。
「…女の子が集まると話が止まらないのは知っているけど~、お嬢様方。夜が帰ってしまいますよ~?」
「あっ、そうだった!」
ハルカちゃんが急に焦って首飾りを服の中へとしまう。
「ハルカぁ~、早くこの街を出ないと、その『硝子工芸が盛んな里』の世界へと移動してしまいますよ~?」
アランは台詞とは正反対に落ち着き払って、部屋の扉を開けた。
「ナオちゃん、早く!」
ハルカちゃんは自分の荷物を肩に掛けると、部屋を出ようと小走りしながら私に声を掛ける。
「…え?え?行くの?」