記憶 ―惑星の黙示録―


――ちりんっ…

私の手が地面にある何かに触れて、そんな甲高い綺麗な音がした。

瞳を向けると、そこに落ちていたのは小さな『銀色の鈴』。


……鈴?

それを手に取って眺めてみても、私の物ではない様で全く覚えはない。


そう呆けていると、
誰もいなかったはずの後ろから、声がしたんだ。


「…ねぇ。…そんなに身を乗り出すと危ないよ~?落ちたらどうなるか分かってる~?」


ビクッと、声がしたほぼ同時に反射的に振り向くと、
私が膝をついた状態と同じ目線に、

彼は居た。


はぁい…
そう言わんばかりに、片手をひらひらと私に向けて振ったのだ。


…え?
はぁ?子供…!?

いつから…居た!?


さっきまでは私が立っていたはずの少ない地面の中心に…、

彼は現れていた。


それは、
ほんの4、5歳と思われる小さな小さな男の子。

黒い髪に、青色の瞳。

外国人…?
現実では見慣れない、その風貌が印象的だった。

それでいて、
大人びた達者な日本語を話す。


「……?」

一瞬にして、違和感を感じた。


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