私と彼の関係〜本気の浮気〜


佐々木さんは、私の後ろに回り、さりげなく両肩を押しながら、エレベータへと導いてくれる。



「俺の方が乱されてます」



下向きの矢印ボタンを長い指で押しながら、私の顔を見てもう一度微笑む。



やっぱり直視できないや。



顔が赤くなってるのはアルコールのせいだと自分に言い聞かせながらも、佐々木さんの顔を見ないように、エレベータの上にある数字を見つめる。


『3』が光ったのと同時に、ポンと音が鳴りエレベータの扉が開く。


私は先に乗り、扉を押さえながら『1』のボタンを押す。


佐々木さんはやっぱり私の後ろに回る。







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