私と彼の関係〜本気の浮気〜
〜6〜



タクシー乗り場の手前で路地へ入り、ひとつのビルの入口へと向かう。


入口横の地下へと続く階段を降りると、重そうな木の扉がある。


見た目ほど重くない扉をゆっくり押すと、ドアの上についてあったベルがカランと鳴った。



「いらっしゃい・・・あれ、真央」



カウンターから聞こえる声は、私より少し高い女性の声。



「奈央、久しぶり」



何度か顔を合わせたことのあるお客さんに軽く頭を下げ、奥の空いたカウンターに腰掛けながら真央と呼んだ彼女に声を掛けた。



「あっれ?今日って忘年会じゃなかったっけ?」


「二次会の途中で抜けたの」


「あ〜奴とは別行動だったってことか」






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