伝説の女[完]
あたしが傘を渡すと、男はなんでもないから帰れと言った。

うっすらと顔には雨で濡れたあとと、顔に涙のあとがあった。

ふう、そんな状態の人をそのまま雨の中に置いてけないよ・・・。


しょうがないな、あたしは傘を彼にそっと渡してそこを離れようとすると・・・




腕を掴まれ「傘ねえーならいいって自分で使えって」っと言った。




腕を掴まれたその手は、本当に冷たくてびっくりした。



だけどゆっくり振り返ると、男は寂しそうな瞳を見てあたしは結局・・・・。


「じゃあ、一緒に雨宿りしよっか?」



元々男まさりなあたしはほっとけなかったのだ。



男はびっくりしてなんだか悩んだようだったが、優しく声をかけると。



「近くのカフェでも入る?」



声をかけたら無言で頷いた。


2人でカフェに入り、あたしはココアを男はコーヒーを頼み。


少し無言が続き、あたしから・・・。



「なんかあったの?」



ゆっくりと笑顔で聞いた。


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