サクラミチ。
『今度、鈴夏を守れなったら…俺が、もらうから…。本気で…。』

そう言って鼻で笑い出て行った。
日向は固まっていた。

「どうしたの、日向君。」
「え、あ、なんでもない。俺らも帰ろっかぁ。」
「うんっ」

 翌日、鈴夏のクラスに転校生がやってきた。
木下太陽だ。昨日は、学校見学をしていたらしい。
日向は鈴夏と同じクラスだということが気にくわなかった。


―ありえない。
ときどき鈴夏の気持ちが分からなくなるときがある。
いじめていた愛奈を仲間にするし…

しかも、誰だよ。
木下太陽!!
幼馴染ってあんな空気なのか?
しかも、超強引だし。
またまた、しかも、
「今度、鈴夏を守れなったら…俺、もらうから…。本気で…。」
ってなんだよ!!
まじありえねぇー

なぁ鈴夏。
2人っきりじゃだめなの?
俺だけじゃ頼りねぇ?

でも、絶対言わない。
鈴夏は、一人が怖いんだ。
鈴夏が望んだのだから、俺は何も言わない。
あいつを失いたくない…

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