超現象管理人 風使い編
「ねぇ、風をどこまで操れるか見せてよ」
興味津々で佳伊が高露にウキウキした目で言った。
「いーよ」
高露が手を前に出す。すると風が手の周りをグルグルと回る。
「風は完璧なようですね」
柳が佳伊に言う。
「そうだね。あとはどこまでの力をつけさせるか。だな。」
と嬉しそうに佳伊はいう。
「ここまで出来るのはそうそういないよ。お前を抜いちゃうかもよ」
「…ですね」
階級に特に気にしてない柳はあっさりと認める。
「高露、そこにあるカップを動かせる?」
「…俺、風だけだから……念力は使えない」
するとにっこりと佳伊が「そっか。じゃ、時期に出来るようになるよ。」と言った。
「?俺、別に風だけでも平気だよ」
怪訝そうな顔で高露がいう。
「それじゃ組織として未完成だからね。」
その時電話が鳴る。
「はい?」
と佳伊が出る。
「高露、莎羅ちゃんの検査終わったって。病室にいく?」
「うん、行く!」
「じゃ、高露、莎羅ちゃんがどこにいるか探して?」
「は?」
いきなりの言葉に高露はびっくりした様子だ。
「ほら、目を閉じてーー……」
言われるままに高露は目を閉じる。
「莎羅ちゃんの気配を追うんだ。右?左?」
眉間にしわをよせて高露が悩む。そこに佳伊が高露の頭に手をかざす。
「…左」
自信のなさそうに高露は答える。
「うん、合ってる、そこからどれくらい進む?」
佳伊の手にオーラが出てくる。するとつられる様に高露のオーラも出てくる。柳は黙ってその様子を見ている。
「…少し進んで…右…で3番目の部屋」
「うん、完璧!!」
にっこりとかざしていた手を引っ込める。高露は目を開ける。
「俺……千里眼は無かった筈なんだけど……なんか、見えた」
高露が戸惑う。
「うん、今ちょっと俺が手伝ったの。でも高露の力だよ」
にっこりと佳伊が言う。すると黙ってみていた柳が口を開く。
「佳伊様の得意分野は能力を増大させるって事なんだ」
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