妹系男子。
体育館を出た
バッグ持って来といて良かった
このまま帰ろう
誰もいない廊下を歩く
新鮮だ
汚れた黒板
並んでない机
落書きされた壁
乾いたグラウンド
見慣れた景色だけど
しっかり見たのはこれが初めて
~♪~♪~
携帯が鳴った
マナーモードにし忘れていたらしい
おかげで気付けたのだけど
―
―――
リン「…もしもし」
『後ろ』
リン「…え??」
………
―――
―
後ろ、とだけ言って電話は切れた
取り敢えず振り返る
「鈴木くーん!」
遠くで手を振る人影
リン「……林さん??」
林さんだった
こちらまで走って来る
やはり遅い