妹系男子。



今度は林さんが俺の手を掴んだ



アキ「言わせて」


林さんは震える声に力を入れた



俺は聞きたくなかった

耳を塞ぎたくなった



………



………



………



俺は本当は気付いていた



自分は誰でもない、林さんを好きだと



でも嫌な思い出が
俺を捕らえて離さない



傷付きたくない

傷付きたくない

傷付きたくない



今、ここで俺の成長が問われている



だけど弱い人間だから

素直に飛び出せない



――林さんに言わせてはいけない

そう思うのに



臆病な過去の俺は
まだ背中を見せることしかできない



……どうして??


もどかしかった



俺はユカを克服することで

過去をトラウマを
克服した気分になっていた



なっていただけ



どうして??


言えないの??


ここで諦めてしまうの??



こんなにも
彼女のことを好きだと解ったのに



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