妹系男子。
「うわっ!」
今のは絶対イチの声
「お帰りー」
教室を覗いた俺にヨシが言った
リン「お腹空いたー」
イチのことは取り敢えず気にせず
昨日の夕飯が詰まった弁当を出す
買い物に行き損ねたので
乗り気じゃなかったけど野菜炒めでした
ヨシ「上手く行ったみたいだな」
リン「多分ね」
何かのリミッターが外れたユカと
慌てふためくイチを見ながら箸を進める
そうやって長い一日は
折り返し地点を過ぎて行った
―――
―――
―――
授業が始まり
また俺は腕の中に頭をうずめた
だけど今度は眠れない
訳の解らない漢文も
子守唄にはなってくれなかった
………
………
そう、緊張しているのだ
林さんに全部を言おうと決めたけど
俺の頭の中には
背中を向ける感情が沢山存在した
その沢山の感情が
浮き足立って、ざわつき始めていたのだ