プリンセスの条件

ずっと探してる。

あたしだけの王子様。

今まで数えきれないほどの恋をした。

それも全部、たった一人の運命の人に出逢うため。


だけど、現実は物語のようにうまくはいかない。


「お前、オレをバカにしてんの?」

「ち、違うよ!!」


いつの間にか『恋多き女』として有名になってしまったあたし。


結果的にそうなっているかもしれないけれど、いつだって恋に真剣に向き合っているのに……。


ただ、プロポーズされて初めて『違う』と思ってしまうんだ。


こんなあたしのことを友達もなかなか理解できないようで

『贅沢すぎる悩みだよ。今のままじゃ、一生一人だよ!?』

なんて言う。


それはなんとしても避けたい。


だけど『違う』ものはやっぱり違うわけで、仕方ない気がする。


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