プリンセスの条件

「だって……」


朝から翔太が“男”の顔をしてるから……とは言えない。


「それよりッ!あ、ありがとう。ついててくれて」

「ん?あぁ」


それっきりまた翔太が黙り込む。

なんなんだろう、この空気。


戸惑っていると、翔太があたしの身体を自分の胸に引き寄せた。


「マイ、覚えてるか?昨日お前が言ったこと」

「えッ、あたし、何か言った?」

「……」

「翔太?」

「今日、大学休めよ」

「え?」

「まだ熱、少しあるから」

「あ、うん……って、えッ!?」


あたしの身体をベッドに寝かせながら翔太まで潜り込んできて、あたしに身体をピッタリ密着させてくる。


そして、腰のあたりに感じる違和感。


「ちょ、ちょっと翔太!!」

「なに」

「なにって……何か当たってるッ!!」


翔太は少し笑って、顔を真っ赤にして背けるあたしの頭を掴み、朝から濃厚なキスをした。


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