*想愛*

ころんっ..
私の前になんかが転がる。

..靴!!

「あーごめんごめん、わざと!」

この声は..

「直樹!いい加減にしてくんない?!毎朝毎朝なんか投げつけて来ては楽しんでさぁ!」

そう、こいつは毎朝毎朝自転車に乗りながら私に何かしら物を当ててくる。

相沢 直樹。

昨日はボールだった気がする。

直樹は野球部でかなり強いらしく、いつもレギュラー。

昨日のボールは野球ボールの中で柔らかいだのなんだの言ってたけど、

かなり痛かった。


「てかお前時計見ろよハーゲ。普通に遅刻だから」

ん??

「8時25分!?やばいじゃん!?どーすんのよ!」

私はまた走り出す。


「なぁ!」

後ろから自転車をのろのろ走らせている直樹が叫んできた。

「なによ。」

そっけなく返事をすると直樹は自転車を私の前まで走らせて止まった。

「乗ってく?」

そう言って後ろの荷台を指差した。

「ん。乗ってく。」


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