SHINING
そして一言も発しないまま
撮影が終わった。

「‘S’良かった!ありがとう」

近付く巨匠吾川に
無言で右手を差し出す。

「ん?
喉元は撮るなが条件と聞いた時は年甲斐もなく憤慨したが…。
会ってみてわかった!
性を超越したエロスだ!」

深く頭を下げた。

「その徹底したプロ意識にも、
脱帽するよ!
又、一緒に仕事がしたい!」

直角に一礼し
スタジオを後にする。

「彼でも彼女でもなく‘S’だ」

巨匠吾川の言葉に
その場のスタッフは
手を動かすことも躊躇い
その背中を見つめていた。

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