SHINING
壁際でへたり込む恵理奈を
慶吾が抱え込んだ。

「泣くなよ恵理奈…
もう何もしないから」

泣き止まない恵理奈を胸に抱え
その背中をあやし続ける。

「俺はさ…
臍の緒も付いたままの状態で、
ごみ袋に入れられて施設の前に
…捨てられてた子供何だってさ」

他人事の様に話し出す。

「施設の中でも親の顔も知らない子供なのは俺だけでさ…。
皆それぞれ違う事情があったけど家族写真なんて大事に持ってて」

恵理奈は静かに慶吾の鼓動を体で感じていた。

「どんな扱い受けてきた子供でもたった一つの良い思い出があれば馬鹿みたいに親を信じてんの」

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