まいひーろー


「白雪姫はここにいるんだろう。
早くこちらに連れてこい。」


「あの方はもう自ら声を発することはおろか、歩くことも目を開けることもない。」


「……どういうことだ?」


『東の国の王子は、白雪姫に起こったことをすべて話しました。』


「では、どうすれば姫を助けられる。」


「彼女は死んではいない。生きている。
それで十分じゃないか。
それに俺は、彼女をお前に渡すつもりはない。」


「話もしない、笑みを浮かべることもない姫がそれでも生きているというのか!」


「そうだ。
俺以外の誰にも微笑みを向けることがない。
俺だけの彼女だ。
だから……この城から出ていけ!」



すごい…………


演技だとわかっていても、二人の本物さながらの迫力が体育館全体を包んでいる。




二人がレプリカの剣を構え、そして如月君から身を乗り出す。

それに応戦する太陽くん。



舞台上の照明に光る太陽くんの額の汗になぜかちょっとだけ鼓動が高まった。



「あーごっほん。
蕾ー?太陽に見とれてるとこ悪いけどもうすぐ出番だよー?」


「っっ!
あ、茜ちゃん!」


「ほらほら、はやく!」


あかねちゃんの言葉に私もあわてて準備にかかる。
鼓動の速さはいまだ静まらぬまま。





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