まいひーろー



「ッ、はっ……はぁ…はぁ………」



次に聞こえたのは、私の息づく音。
そしてその次に聞こえたのは、


「あら、どうしたの?
悪夢でも見た?」

まだ聞き慣れないのに妙に安心する声。


「おばさん………。」

40才代のやさしい顔立ちの人は、親戚のおばさん。


「大丈夫?気分悪かったらもうちょっと寝ていてもいいのよ?」


「いえ、大丈夫です。」


リビングとふすまで仕切られているはずなのに今はそれがなくなり、おいしそうなベーコンの香が鼻腔をくすぐる。

その途端急にお腹の空腹感が襲い、おばさんが「そう?」といってパタパタとリビングへ向かっていくを音で感じつつ、とりあえずは身体を起こして洗面所へまだだるい身体で向かった。





「はい、これ。」


ご飯も食べ終わり、一通りの準備を済ませた後におばさんは優しい微笑みを浮かべて真新しい制服を私に差し出す。


「うわぁ………。」


これから着る、制服を始めて見て思わず声が漏れる。
おばさんの手には灰色のチェックスカートとリボンに、水色のカッターシャツ。
そして、灰色のカーディガン。


「かわいいと思ったもの選んできたんだけど…気に入ってくれた?」


「はい……!」


私が通う今岡高校では、制服が自由で決まっていないそうなのでおばさんがそろえてくれたのだ。


嫌悪感のにじむセーラー服でなく、心まで一新されるかのような新品のブレザーの制服を見て、
今私がいるのは一分一秒でも早く死にたいと願う地獄ではないと実感させられた。








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