まいひーろー



「…………あれ。授業は?」


「もう昼休みだよ。」


「今日は休みだと思ったわ。」


茜ちゃんは呆れ顔で、相沢君は目を真ん丸くして、ドアの方向を見つめる。
同時に同じ方向を見ていた私はとっさに身を硬くした。


立っていたのは、ストレートの黒髪で少し垂れ目がちな男の人。
ただ、ところどころが寝癖のせいか髪型が崩れている。



「んだよそれ………あー休めばよかった…」


そういって、相沢君の前の席に座る、見慣れない人に私は不躾だというのには気付かずにジ、と見つめる。



「………誰?」


「ッ、」


突然バチリと視線が会い、固まってしまう。



「………はーい、しゅうりょー。
ちょっと聖、いつまでも蕾と見つめあうなっつの!」


パッと突然視界が暗くなり、あわてて手を持っていくと、ゴツゴツとした手が私の目を覆ってて。
それが、相沢君の手だと気付いたときにはすでに視界は明るくなっていて、眉をひそめる聖とよばれた人と相沢君が言い争っていた。




その隙に、コソリと茜ちゃんに近寄る。
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