まいひーろー


「そのウーロン茶、ちょーだい。」


「………え」


「無理っ!絶対ダメ!
それは蕾の……って、あー!!」


騒ぐ相沢君に、ストローをくわえてる如月君。
……そしてその手は私の左手を掴んでいて。


「……ほら、歌うんだろ?」

そして、何事もなかったかのように手を離して、相沢君に向き直る。

「………蕾と間接ちゅー……」


「あぁ?」


ボソボソと呟いている相沢君。
ここからだと聞き取りづらくてなにをいっているかわからなかったが、如月君は聞こえたようで。


「………残念。
もう飲んだから。」


なぜかニヤリと勝ち誇った笑みを浮かべる如月君。


「聖ー太陽ー!
今から点数式にしたから、100点とれよな!」





………それから。
なぜか二人とも張りあうようにして歌った曲(タイトルはわからなかったけれど。)なんと100点を取ってしまって。

相沢君も如月君も、とっても歌がうまかった。といえばなぜか相沢君は如月君と私を遠ざけて。



よくわからないことが多かったけれど。
その日、初めて行ったカラオケは一回も歌うことはなかったが、忘れられないほど楽しかった。





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