まいひーろー


「…………なぁ。」



「なに?」



茜ちゃんから発せられたのはびっくりするほど低いトーン。
なのに相沢くんは物ともせず、なんだか迷った様子で口を開いた。


「なんで、蕾じゃいけないんだ?
キスするなら、蕾がいいなと思って……」


ゴッ………


………痛そう……


肘で思い切り頭をやられた太陽くんはガタンと倒れる。
………が、最後に行った言葉が妙に私の頭に引っかかって、そのまま顔が熱くなってしまう。


「ったーーーーー!!」


「お前、天然の鈍感にもほどがある!!」


すでに涙目の太陽くんに容赦ない茜ちゃん。
そろそろチャイムがなるし、中に入ろうかな…と思っていときだった。



「なにしてんの?」


「!!!」



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