契約恋愛





私は2年前の、あの頃の私とはもう違う。



拓に振られたと思って、一生懸命忘れようとしてた私とは違う。



拓が好きだった、大好きだった。



この気持ちは嘘じゃない。



でも、もう違うの。



私は、拓でも智紘君でもない。



真紘が好きなの。



大好きなの。



この想いが、届かなくても。



私は、真紘しか好きになれないの。



「拓、ごめんね」



「謝るなよ。俺が悪いんだ」



「拓、大好きだった。ありがとう。拓も次の恋に進んで、ね?」



「……うん、頑張ってみるわ。まー俺かっこいいし?すぐ出来るよ」



「…ばーか」



プッ



私と拓は顔を見合わせながら、大笑いした。



今までのことを全て、忘れるように。
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