―黒蝶―
「…もしもし?」

『七瀬?!今、ドコ?』

「蓮、だめだよ。アタシたち…もう会わない」

『嫌だ』

「蓮…!」

『せっかく俺の気持ち…っはぁ』

「蓮っ!こないで!」

『アジトに向かってる』



ブツッ


通話が途切れた音。

スピーカーから、ツーツーと音がする。



アタシは切れた後も、ケータイを手放せないでいた。

そして…



こっそり洋服を着て、部屋を出た。

そして、アジトを離れた…


着いたのは…アタシの好きな場所。


…近所の河原。

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