―黒蝶―
アタシは蓮が好き?

ううん、違うよ。アタシは…


「好きなのは秋葉だよ」


すると、秋葉は首をゆっくり横に振った。


「お前が気づいていないだけ。違う、気づきたくないだけ」


―何に気づきたくないの?

アタシでもわからないことが、秋葉にはわかるの?



「だって、アルバムを見ているときのお前。悲しそうだった。でも…顔が赤い」

「違うよ」

「違くない。お前はアイツが好きなんだ」

「違うよ秋葉、アタシは…」



すると秋葉がアタシの腕を掴んで自分の胸へと引き寄せた。



「俺が苦しくなる。そんなことを言うなよ」

「秋葉…?」

「まだ、好きになってくれる可能性があるって期待しちゃうんだよ?」


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