ホタル
第七章【決意】




……………

あたしは、ロミオとジュリエットが嫌いだった。

名前に邪魔されて最後まで報われなかった二人の恋は、確かに悲恋かもしれない。

でもあたしには、羨ましくて仕方なかった。

例え誰に反対されても、誰に祝福されなくても、その恋は決して罪にはならないから。


二人は、姉弟なんかじゃないから。



例えばあたしと裕太が姉弟として生まれてこなければなんて、もう何度も考えてたけど、それでも考えずにはいられない。


あたしと裕太が姉弟じゃなかったら。

だったらこの恋は、永遠だって見えたのかな。











< 296 / 326 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop