幸せの条件
 いい!と思う人はいなかったが、とりあえず何人かから名刺はもらった。

ほろ酔いの夏子と外に出る。

「さくらちゃん!」

瑞希が私に声を掛けてきた。

私は、夏子を見る。

「瑞希先輩、またでいいですか?」

夏子をチラッと見た瑞希が頷く。

私は、軽く頭を下げた。

夏子を引っ張って駅に向かう。

「・・・さくらさ~ん。ここ~こ~こに入りましょうよ~。」

「ちょっと待って!」

夏子がフラフラとコーヒーショップに入っていく。

空席のテーブルにドカッと座った夏子に代わって私が注文した。

「おいし~い!」

夏子が私から受け取ったアイスコーヒーを飲む。

私も座り、アイスコーヒーにミルクと砂糖を入れた。

「さくらさん、知ってる?」

夏子が少し体を前に倒し、私の返事を聞かずに得意気に喋りだす。

「さくらさんのこと、会社中が噂してる。」

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