幸せの条件
 運転手に行き先を告げた私は、シートに体をあずけた。

孝太郎の姿を見て泣きそうになってる自分に戸惑う。

もう少しで泣くのを見られるところだった。

私は、涙を拭った。

忘れられず、時を止めてとりあえず生きてきたのは自分だけだったと分かり、私は、苦笑する。

フッと私は、あの時、孝太郎についていっていたらどんな未来が待っていたのだろうと考えてしまった。

 タクシーが私の実家の前でゆっくり停車し、運転手が私に声を掛ける。

「お釣はいいです。」

タクシーから降り、私は、中に入った。

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