幸せの条件
 何時間こうして私は、ファストフード店で男と向き合っているのだろう。

男は、チラチラと私を見ながらもすぐに下を向いてしまう。

「で、どうしたいの?」

私のやや低い声に男がビクッと体を動かす。

「・・別れたい・・・です。」

男の口からやっと私の待っていた言葉が出てきた。

もっと早くに言ってよね。

私は立ち上がる。

「バイバイ。」

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