幸せの条件
 「・・・今、実家って本当?」

「うん。」

「大丈夫なのか?」

「うん。平気、平気。小さい頃からお父さんに監視されてるのよ?慣れっこよ。」

「・・・タフだな。」

「タフじゃなくて諦めかな。この小さな小さな世界で私は生きていくしかないの。」

私は、ジョッキから落ちた水滴を人差し指で繋ぎ、小さな丸を描く。

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