幸せの条件
 母に見送られ、私は、駅までタクシーできた。

孝太郎は、すぐに見つかった。

「・・・こうちゃん、お待たせ。」

「おう。今日は車だから。」

孝太郎が駐車場を指差す。

2人は、ゆっくり歩き出す。

「・・・なにか言われた?」

「ううん。なにも。・・・もうこうちゃん、びびり過ぎだって。」

私は、笑う。

「ごめんな。」

「え?」

「片瀬、予定があったんじゃないか?本当に貧乏旅行だぞ?」

期待してないとは言えない雰囲気。

私は、にこっと笑う。

「こうちゃんに誘ってもらえて嬉しいわ。」

照れている孝太郎の横顔を見て私は、分からないようにため息をつく。

< 38 / 202 >

この作品をシェア

pagetop