鏡の向こう側
章1第

[1]

7月23日
今日から夏休みだ。
私は部活に所属していない。
仲のいい友達はバドミントン部に所属しているため、夏休みは数回しか会えない。物凄く暇だ。
だからといって、宿題をやる気にはなれない。普通の学生なら、夏休みの初日から宿題なんてやらないだろう。(いや、ちゃんとやる人もいるだろうけど。)
そんな夏休みを私は、大抵本を読んで過ごしていた。
私は、現代の若者にしては珍しい人種だと思う。テレビは見ないし、ゲームだってしない。ファッション雑誌だって一度も買ったことがない。
そして、その夏休みの最初の日も本を読もうと思い、書斎(父に勝手に入っていい、と言われている)に入ったら、見覚えのない鏡が置いてあった。
とても綺麗な姿見だった。
鏡の縁に宝石のようなキラキラした石が埋め込まれていた。
私は引き寄せられるように、その鏡に近づいていった。
そしてその鏡に触ったら、なんと指が鏡の中に入ったのだ。
「わっ!!」
私は驚き過ぎて思わず手を引っ込めてしまった。
気味が悪くなり、私は書斎から自分の部屋へと走った。
< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop