【完】白い花束~あなたに魅せられて〜

弁明



昼前には翔のマンションまで迎えに行くとガミさんから連絡があった。



結局あんまり寝てないし泣きっぱなしだった顔はひどくって、私はしばらく濡れタオルで顔を冷やしていた。




「…大丈夫か?」



用意が終わってマンションを出た時、心配そうな顔をした翔。



主語はなかったけれど、多分…榎本海斗の事を言っているんだろうというのは、わかった。



『大丈夫』



微笑んでそう告げれば



「……無理はすんなよ」



頭を撫でてくれる翔に、暖かい気持ちになる。



大丈夫だよ。
私は頑張れる。



空高く昇った太陽は暖かい日差しを注いでいて、昨日とは大違い。



勢いよく地面を蹴って、翔と駐車場へと向かった。


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