【完】白い花束~あなたに魅せられて〜


その日の夕方、昨日ぶりのスタジオへ榎本海斗と2人で向かった。



事務所を出る間際、ガミさんと珠璃と亜美奈の3人に“テメェ仁菜に手出すなよ”オーラを浴びせられたらしい榎本海斗は、車に乗るなり「あの3人怖ぇ」呟いていた。



そしてもう一度「本当に悪かった」謝罪した榎本海斗に『…もういいから』と告げた私は、今日からは彼と本当にマネージャーの関係になった。





ガミさんに手渡された菓子折りを持ち『昨日は本当に申し訳ありませんでした』と榎本海斗と2人、監督に頭を下げたら



「高熱で倒れたらしいねぇ〜?まぁ次からは気をつけてよ〜?」



何とも拍子抜けする切り返しをされた。



どうやら私は昨日風邪で倒れたと言う事になっているらしい。



チラリと隣の榎本海斗を見れば彼も知らなかったらしく、ポカンとした表情を浮かべていた。



裏でガミさんが手を回してくれていたに違いない。



心の中でガミさんに感謝して、そのさり気ない気遣いに嬉しくなった。



「じゃ次の撮影の時はしっかり頼むよ〜」



その言葉に『はいっ!頑張ります』と答えた私の肩をポンポン叩いて「僕ここの羊羹好きなんだよね〜」なんて呟きながら、監督は撮影へと行ってしまった。


< 278 / 410 >

この作品をシェア

pagetop