【完】白い花束~あなたに魅せられて〜


「なぁ大和」


「…ん?」


「私さぁ、今週の火曜日暇なんだ」


「うん」



大和の腕に絡みつく珠璃は、大和の事が好きになったようだった。



今までのタイプとは明らかに違っていたけれど、彼の醸し出す緩和な雰囲気とその優しさに惹かれたのだろう。



その大胆な行動に本人から気持ちを聞いていなくとも、そうなんだとわかってしまう。



次は大丈夫だと前に言っていた彼とはどうなったんだろうか。



…なんて考えなくても目の前で繰り広げられる光景を見て、終わっているんだという結論に至った。



満更でもない大和は珠璃と談笑していて、絡められたままの腕とは反対の手で、彼女の頭をぽんぽんと撫でていた。



その瞬間の珠璃の幸せそうな笑顔。
少し頬を染めて目尻を下げて微笑む彼女を私は今までに見た事がない。





…果たして私も翔に触れられた時そんな表情をしているのだろうか?



最近よく思う。



私に触れた翔をすんなり受け入れられたのは何故なんだろうか?と。


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