君が落とした青空

「じゃあ、ばいばい」


修弥がそのまま何も言えなくて私の目の前で動きを止めて、じっと見つめる。


その視線から逃げるように目をそらして、背を向けた。

修弥の顔も、これから起こりうることからも全てから目を背けたかったから。



「ちょ…実結!?まてって」

ぐいっと肩を引かれ、無理矢理顔を修弥の方へ戻された時にはもう、自分じゃどうすることも出来ない涙が、地に落ちていた。



「なに…いってんだ?なんで…泣いてるんだよ」

「なんでもない」

「なんでもないわけねえだろ?なんなんだよ急に…」


急にじゃない。
本当はずっとずっと考えていた。


同じような会話ばかりの関係。何も変わらない関係。毎日同じ繰り返し。それは今日を繰り返す前からずっと。



ただ時間だけが過ぎているだけの同じ毎日の中で、何度も頭をよぎった言葉。
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